最近ニュースなどでも目にすることが増えてきた“メタバース”
情報管理のあり方などを巡って逆風の真っ只にあるGAFAの一角、Facebook社もメタバースを使ったビジネスに舵を切るとして、社名を「Meta」に変更すると発表しました。
メタバース開発に2021年だけで少なくとも1兆円を投資する計画だという情報もあり、ゆくゆくはメタバースをメインに事業展開を進めていくようです。
更にマイクロソフトやスタートアップのIT各社がこぞって力を入れ始め、注目度が高まってきています。早めに参入し、独占的な地位を確立できれば莫大な利益に繋がる可能性もあります。
本記事ではそんなトレンドワード“メタバース”について解説しつつ、実際にどういった形で今後の私たちの生活に影響を与えていく可能性があるのかまとめてみました。
メタバースとはなにか
3次元のバーチャル空間・仮想世界のことです。
メタバースのユーザーはアバターと呼ばれ、アバターはこの空間内で自由に行動し、様々なコンテンツを楽しんだり、アバター同士でのコミュニケーションを楽しむことができます。アニメでいうところのソードアート・オンラインや、映画でいうところのアバターのような世界かなと筆者はイメージしています。
メタバース(Metaverse)という言葉自体は「宇宙を超える」を意味している造語です。
「超」を意味する「メタ(meta)」と「宇宙」を意味する「ユニバース(universe)」
SF作家ニール・スティーヴンソンの1992年の小説「スノウ・クラッシュ」で仮想世界を指す名称として登場しています。もう30年ほど前に作られた言葉なんですね。
実はメタバースに該当するサービスは既に存在していて、2,000年代に流行したリンデンラボ社のSecond LifeやEpic Games社のFortnite、任天堂のあつまれどうぶつの森などが挙げられるそうです。どうぶつの森は実際にプレイしたことがある人も多いのはないでしょうか?知らぬ間にメタバースを経験しているということになります。
なぜメタバースの注目度が高まってきているのか
実は2,000年代にSecond Lifeというサービスが流行したときにも、様々な企業がこの事業に挑戦してきたという歴史があります。ただここにきてなぜメタバースが再注目されているのでしょうか。
その背景としては、テクノロジーの進展や世界情勢が大きく関わっているとされています。
例えば、VR技術の高度化や端末のハイスペック化、ネットワークの高速化、NFTという技術の発展など、テクノロジーの発展によりメタバースをより高度化する環境が整ってきた点です。
更に近年は新型コロナウイルスの影響による、ビジネスやイベント・コミュニケーションの急激なデジタル化が進みました。
現実空間でのイベントが厳しい制限を受ける中、現実に近いイベントを開催できる空間として期待が集まっているのがメタバースというわけです。
そしてメタバース提供企業も、こうした期待に応えるような動きを見せています。
例えば、あつまれどうぶつの森(あつ森)では企業や公的機関とコラボすることで、観光名所への旅行を仮想空間でも体験できるような活動を実現しています。
実際にあつ森では、JTBとコラボして関東の観光名所を体験できるJTB島を公開したと発表しています。
こういった世の中の変化をみてMeta(旧Facebook)や Microsoftといった大手テック企業も次々とメタバース事業に参入してきており、ゲーム以外での用途でも使えるように、機能面での進化が進んでいるようです。
また富士キメラ総研が試算している今後の市場規模のデータだと、ゴーグルなどのAR/VR関連機器の世界市場予測は2030年で約16兆円まで急激に伸びると予測されています。
ゲーム以外にも広がりを見せているメタバースのマーケットポテンシャルはかなり巨大であると予想されており、次のGoogleはメタバース関連事業から生まれるとも言われています。
メタバース関する注目事例
幕張で行われた様々なVR技術を集めた展示会(XR総合展)でも、その技術が披露されたようです。
メタバースの開発や技術支援をしている株式会社Synamonが紹介していたのは、ゴーグルやコントローラー使用して、千葉と東京という離れた場所にいる人同士がネット空間の同じ場所にいるという内容でした。
実際に手をふったり、お辞儀をしたり、アバター同士で資料を手渡したりと、仮想空間の中でできることも多いようです。しかも、その人の特徴がアバターの動作に反映されていたりと(お辞儀の仕方など)、遠く離れた場所にいる相手が本当にそこにいるような感じがするとのことです。
もちろん音声も繋がっているので会話もできます。
また近年メタバース内での経済活動が拡大してきているゲーム領域にも注目が集まっています。
これまでもゲームで使用するアイテムやゲーム区間内の一区画や構造物を売買するなど、現実世界でいうところの不動産を売買するという経済活動はありましたが、NFTの登場により、最近ではアート作品やコレクション性の高いアイテムなどの取引も出てきており、より高度な経済活動が定着し始めています。
そうした変化を受け、大手ブランド企業のメタバース進出も相次いでいます。
みなさんご存知のバーバリーは、ブランコスブロックパーティー(Blankos Block Party)というゲーム内で限定コレクションを販売しています。こういったインターネット上での売買ができるようになったのはイーサーリアムを中心とした仮想通貨技術の発展やNFTの登場が大きく影響しています。
また、ラルフローレンはゼペット(ZEPETO)というSNSサービス上でマンハッタンの旗艦店を再現し、ファッションアイテムを販売しています。
他にも、先日社名を変更したMeta(旧Facebook)のホライズンワークルームス(Horizon Workrooms)というサービスも注目されています。
これはVRを用いてアバターの姿で会議ができるサービスで、2021年8月にベータ版を発表しました。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
※Meta(旧Facebook)はVR用ヘッドマウントディスプレイのオキュラス(Oculus)を買収するなど、以前からGAFAの中でも特にメタバースに注力していました。
アバターで会議に出席していたMeta(旧Facebook)CEOのザッカーバーグ氏は
「インターネットの次にくるのはメタバースだと信じている。ネットに没入することで更に臨場感を味わえる。」とコメントしています。
またこのサービスを実際に使用した方によると、コントローラー無しで現実空間と同じ動作や表情が実現でき、一つの部屋の中で同時に別の会話を成立させることができたりするそうです。
イメージ動画がよく出てきていてとてもワクワクするので、もしも興味がある方がいらっしゃいましたら下記から覗いてみてください。
https://youtu.be/lgj50IxRrKQプレビュー
まさに現実空間の会議のような事が、仮想空間でできるようになるというわけです。 こんな事本当にできるの?と驚いてしまうほどの近未来的なサービスだなと個人的には思いました。私たちの身近なところでも活用が始める日がすぐに訪れるかも知れません。
まとめ(メタバースの未来像について)
今回の記事ではインターネット場に構築された3次元のバーチャル空間・仮想世界であるメタバースについて触れました。
メタバースとは何なのか、どういった事が実現されそうなのか、もしく既に起こっているのか、少しでもイメージが膨らんでいたら幸いです。
この記事を読んでいただいた方の中にも、技術の進歩に置いていかれそう・・・。と感じている人もいると思います。
今のうちにITのトレンドには積極的に触れておくなどしておき、いざ大きな波が来たときに自分たちも活用できるような状態にしておいたほうが良いかもしれません。
Meta(旧Facebook)のホライズンワークルームス(Horizon Workrooms)のようなサービスが一般的になればコロナ禍が終息した後でもオフィスに出社する必要のない未来が来るかもしれませんね。
1人のサラリーマンとしてここは期待を込めて今後の進捗を見守りたいとおもます。
今後は結婚式など移動が伴うイベントなどでも使用されるかもしれません。
ただ単に3D世界を見られるというだけでなく、これまでご紹介してきたような、現実世界と同様にイベントの体験や物の売買ができるとされ、その期待は非常に大きいです。
今後もどんどん進化していくとされているメタバース。今後の同行にも注目です。
以上、メタバースについてでした!
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